当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の推し進める経済、財政政策により設備投資は持ち直しの動きが見られたほか、企業収益や雇用情勢は改善しており、個人消費も持ち直す等、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。また、海外経済につきましては英国のEU離脱問題、米国の新政権の政策動向及び中国の経済状況など懸念材料はありましたが総じて堅調に推移いたしました。

 当鉄鋼流通加工業界におきましては、昨年3月に中国における鉄鋼産業の過剰生産設備解消に向けた政策が示された事から、中国国内の鉄鋼製品の価格は急騰し、東アジアへの輸出シフトは緩和され、国内鋼材市況においても、下げ止まりから回復への期待が大きく膨らんだものの、実際の鋼材需要は弱く、市況回復には至りませんでした。しかし、10月頃より原料炭が急騰すると国内外の鉄鋼メーカーは一斉に製品価格の値上げを発表し、市況はようやく底入れをし、回復基調となって参りました。荷動きにつきましては、首都圏の建築需要は堅調に推移しているものの、その他の地域においては目立った物件等もなく厳しい状況が続いております。

 このような環境下にありまして当社グループ(当社及び連結子会社)は、首都圏においては、再開発案件やオリンピック関連投資が具体化しており工事請負・鋼材販売の両面において積極的な営業活動を展開しております。また、平成28年2月に福島支店を開設し、東北支店・青森営業所と共に東北地区への拡販を進めて参りましたが、その供給拠点として福島県相馬市に工場の建設を決定し、平成30年4月の竣工を目指して着工予定であります。なお、その他の地域においても、地道な営業活動により販売エリアの拡大・シェアアップを図っております。

 この様な状況から、鋼材の販売・加工事業につきましては、販売量は前年同期を若干上回ったものの、市況低迷による影響から販売金額は前年同期を下回る結果となりました。なお、鉄骨工事請負事業は、首都圏を中心に民間設備投資は持ち直しの動きが見られ、物件情報等は増加しており、他社との競合など厳しさはあるものの、長年の施工実績等から受注活動は堅調に推移しております。工事売上額につきましては、工事物件の大型化から工事完成基準適用の中小物件は減少となったものの、工事進行基準適用の大型物件は堅調に進捗した事から売上高は増加となりました。これらの結果から当連結会計年度の売上高は67,420百万円(前年同期比3.1%減)となりました。

 収益面におきましては、鋼材の販売・加工事業は、鋼材市況は低迷が続いていたものの、秋口より回復傾向となり、個別の収益管理の徹底が収益に結びついております。鉄骨工事請負事業は、鉄骨加工単価回復後の物件が着実に完成や工事進捗しており収益に貢献いたしました。これらの結果から当連結会計年度の営業利益は4,291百万円(前年同期比15.6%増)となりました。また、営業外損益につきましては、デリバティブ評価益388百万円の発生等もあり経常利益は過去最高益の4,829百万円(前年同期比28.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益も同様に3,309百万円(前年同期比30.3%増)となりました。

鋼材の販売・加工事業

 鋼材の販売・加工事業は、建築関連の民間設備投資は持ち直しており、首都圏では再開発案件等が活況を呈しておりますが、一方、首都圏以外は盛り上がりに欠ける状況であり地域間の格差が広がりつつあります。オリンピック関連投資等から鋼材の荷動きは回復が期待されているものの、足下の状況は回復の兆しが見えなく厳しい状況が続いております。この様な状況の中で、販売量は前年同期を若干上回ったものの、特に上期の市況低迷の影響が大きく販売金額は前年同期を下回る結果となりました。

 品種別に見ますと、当社主力のH形鋼の販売が堅調に推移した事に加え、チャンネル、鋼矢板等のその他の条鋼の販売も好調に推移した結果、条鋼類は、販売量は前年同期を上回ったものの、販売金額は前年同期を下回る結果となりました。鋼板類は、敷き板や切板を中心に鋼板が伸びたものの、床版類は厳しいものがあり、販売量・販売金額共に前年同期を下回る結果となりました。鋼管類は、その他鋼管類は堅調に推移したものの、ロール成形コラムやプレス成形コラムは伸び悩んだ事から、販売量・販売金額共に前年同期を下回りました。以上の結果から、売上高は50,236百万円(前年同期比4.6%減)、営業利益は鋼材市況の低迷の影響はあったものの、メーカーの値上げ発表をきっかけに徐々に市況は回復しておりスプレッドの拡大に加え、徹底した収益管理や工場経費及び物流コストの削減等から2,643百万円(前年同期比52.8%増)となりました。

関東工場
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関東工場
H形鋼加工ライン
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H形鋼加工ライン

鉄骨工事請負事業

 鉄骨工事請負事業は、民間設備投資は回復の兆しを見せており、首都圏を中心とした再開発や大型物件は堅調に推移しておりますが、地方の中小物件については厳しく、まだら模様となっております。受注状況につきましては、物件の大型化から受注件数は減少しているものの、受注金額は前年同期並みとなっており、収益性につきましても堅調に推移しております。売上高につきましては、工事完成基準適用の中小物件は減少となったものの、工事進行基準適用の大型物件は堅調に進捗している事から、売上高は16,856百万円(前年同期比1.5%増)となりました。また、収益につきましては、鉄骨加工単価は安定的に推移しており、引き続き工事管理部門の強化や鉄骨加工子会社の原価低減は行ったものの、一部工事についてコストアップとなった事から営業利益は2,094百万円(前年同期比10.4%減)となりました。

建築工事現場
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建築工事現場
鉄骨製品
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鉄骨製品

その他の事業

 その他は、運送業及び倉庫業であり、運送業についてはグループ外の鉄骨製品輸送を積極的に行った事から売上高は前年同期を上回る結果となりましたが、新規車両の導入や運送業界の人手不足から傭車費も増加しており収益については減少いたしました。また、倉庫業についても委託先が限定されており、取扱量が減少した事から売上高は前年同期を下回る結果となりました。これらにより売上高は327百万円(前年同期比8.7%減)、営業利益は82百万円(前年同期比23.9%減)となりました。

運送事業
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運送事業